私たちは弁護士、建築士などの国家資格をもった専門家の集団です。
私たちは東日本大震災をはじめ過去の大災害において、復興支援活動を行ってきました。
それらの経験から災害の初期段階から復興に至る過程で、多くの専門家の連携がきわめて重要であることが分かりました。
復興支援に専門家の能力を有効に活用するためには、活動を包括的にコーディネートする人材「災害コーディネーター」の育成が不可欠と考えます。
私たちは「災害コーディネーター」の育成・導入の必要性を訴え、日本建築学会の「巨大災害に備えて」のタスクフォースをはじめ様々な機会を通して「災害コーディネーター制度」の必要性を提案してまいりました。
東日本大震災から1年後、様々な分野の専門家の有志が集まり「災害コーディネーター」の有るべき姿について検討する研究会(7回)を開き検討を重ねた結果、2014年2月28日に「災害コーディネーター」の育成を主な目的として一般社団法人災害総合支援機構を設立しました。
設立趣意書
2011年3月11日に発生した東日本大震災において、我々は専門家として現在までに被災地で復旧・復興のための支援活動を行ってきた。こうした活動を通して、復旧・復興のための人的資源の活用が十分できていないということが明らかになった。行政だけでは被災者に対してきめ細かな対応をするには限界があり、早期の生活再建のためには、災害に対するマネジメントを適切にコーディネートする人材や組織の存在が必要である。そのため、生活者からの信頼を第一義とし、以下の理念に基づき活動する。
活動理念
災害は人々の日常生活に多大なダメージを与える。われわれ専門家は、被災者が日常生活を速やかに取り戻すことができるように、生活者の立場に立って、自主自律の精神に基づき総合的に支援する。
活動方針
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専門家が被災地で活動するには、活動そのものが被災地の生活者に受け入れられることが必要である。また、活動をする「人」および「しくみ」が社会から信頼されなければならない。そのために、信頼し得る個人及び組織が必要であり、日常の活動の蓄積を基礎にして、これを社会的に担保される「しくみ」とする。
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想定される東海、東南海、南海地震や首都直下地震への対策のひとつとして、阪神淡路大震災から東日本大震災に至る活動を通して得た教訓に学び、多分野の専門家の連携による支援体制を構築する。また、災害に関する様々な状況に対応できるリーダー的人材を育成する。
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素養と能力を備えた「人」および「しくみ」を社会的に担保するための制度として位置付ける。巨大災害がいつ起きてもおかしくない今日において、災害に対するマネジメントをコーディネートする人材を養成する仕組みづくりからはじめて、社会的に担保し得る制度として育てることが緊急の課題である。
上記の趣旨をもって、私たちは関係各位及び諸団体に広く「災害総合支援機構」へのご参加を呼びかけるものです。
2013年2月
災害総合支援機構設立準備会
発起人代表
- ・中田準一(建築家、耐震総合安全機構理事長)
- ・根上彰生(建築士、日本大学理工学部教授)
- ・中野明安(弁護士、災害復興まちづくり支援機構事務局長)
- ・佐藤隆雄(技術士、安心・安全な社会創造研究所所長)
- ・庫川尚益(建築家、JIA災害対策委員長)
- ・宮島 亨(建築家、JIA災害対策委員)